あつみ温泉から車で約30分、「日本でココだけ!」に2つも出逢える場所があります。厳しい冬が訪れる温海地域の里山では古くから木の皮でつくる織物や命を繋ぐそばを大切にしてきました。このコースは暮らしをめぐるコースです。どこかほっとする文化に出逢える“福栄エリア”を紹介します。

木綿が普及するまで、日本人は何を着ていたのでしょうか。代表的な古代の繊維として思い浮かぶのは麻ですが、温海地域の最奥、関川地区ではシナノキの木の皮の繊維から糸を紡ぐ“しな織”が今も継承されています。しな織は日本でこの一帯だけに伝わる貴重な織物です。

関川しな織センターを訪ねると、「ダンダンダン」という手織りの音が聞こえてきます。それだけで昔話の世界に迷い込んだような気分になるのですが、職人が織っている姿を見学することもできる貴重な場所です。

見学とショッピングを楽しんだ後にオススメしたいのが、小型の織り機を使った“しな織のコースター作り体験”。糸を通してダンダンダンダン、足を組み替えダンダンダン、機織りを体験すれば関川しな文化をもっと身近に感じるかもしれませんね。

関川しな織センターはコチラ

旅の余白を楽しむのであれば、ムラ歩きがオススメです。なぜなら、温海地域の小さな山村集落には昔の暮らしがたくさんに残っているから。山菜干し、カブ洗い、薪ストーブの煙と香り、自然と共に暮らす日常がすぐ傍にあります。フリーハンドで発見と偶然を楽しむムラ歩きには、カメラを持って出掛けましょうね。

関川の隣、越沢(こえさわ)地区では近年、在来作物の“越沢三角そば”が確認されました。在来作物とはその土地だけに古くから伝わる作物のことです。つまり、このそばは日本で唯一越沢でしか食べられない、とっても貴重なそばということになります。

気になるお味はというと…「ナッツのように香り豊かで深い味わい!」優れた食味に魅了されます。おそばは季節の天ぷら、小鉢、地元銘菓の笹巻き付き。それでなんと税込1,200円とお値段も産地ならでは。越沢三角そばは福栄グルメに欠かせないマストな存在です。