あつみ温泉から車で25分。温海地域北部の山戸(やまと)エリアはスピリチュアルスポットの宝庫です。決して有名な場所ではありませんが、ひっそり佇む巨木や神社の神聖な空気に心が浄化されていくような気がします。ここでは日本の美しい風景が残る山戸エリアを満喫できるコースを紹介します。
山戸エリアを訪れて欠かせないのが“玉杉”(たますぎ)です。玉杉はムラの中心部から少し離れた場所に佇む樹齢1500年、国指定の天然記念物。地元の人々からムラの御神木として昔から大切にされてきました。
玉杉に逢いにいくには鳥居をくぐり杉林の間を縫うようにして階段をあがります。しばらくすると、これまで目にした杉と異なる存在感を放つ巨木がチラリ。「なんだあれは!」と急ぎ足で近くにいくと正面に堂々とした巨木がドーンと現れます。その姿は圧倒的で声が出ません。なんでも根本の周りだけで20m近くもあるんだそうです。
玉杉の周りはぐるっと1周まわれるように設えてあり、ちょうど真裏ぐらいで一息つくと玉杉越しに集落がみえます。この御神木がムラを見守り続けてきたんだと感じる瞬間です。
玉杉を訪れるとなんだかスッキリします。日常のストレスがこの巨木の前ではとても小さく思えるからです。「最近がんばり過ぎかなあ」と感じていたら、玉杉を訪れてゆっくり深呼吸してみてはいかがでしょうか。
山五十川歌舞伎(やまいらがわかぶき)は山形県無形民俗文化財に指定された歴史ある古典芸能です。その始まりは古く400年以上前までさかのぼります。初公演の記録は出羽三山の1つ湯殿山の注連寺にあり、疫病を祓い村を救った鉄門海上人(てつもんかいしょうにん)へのお礼として芝居が演じられました。このアクティビティは歴史ある山五十川歌舞伎をダイジェストで体験できるということで注目を集めています。
Step1_隈取(くまどり)
最初にトライするのが隈取です。隈取は歌舞伎独特の化粧のことで、顔に真っ白くおしろいを塗ってから赤や青の筋を自分の顔に施します。化粧は手本をみながらでもオリジナルでもOK!
Step2_見え切り(みえきり)
見え切りは歌舞伎のキメポーズで、役者先生から伝授してもらいます。ツケに合わせて演じれば、気分はもう歌舞伎役者!
Step3_押隈(おしぐま)
押隈は魚拓ならぬ顔拓です。化粧を施した顔に布を押し当てメイクを写しとります。きっとお部屋に飾りたくなる作品に仕上がる!?
歌舞伎と聞くと銀座で華やかに行われるのを想像しがちですが、日本のローカルには山五十川歌舞伎のような農村芸能が残っています。でも、なかなか身近に感じる機会が少ないのも事実。こんなにオープンで歓迎してくれる歌舞伎は全国的にも珍しいかもしれません。「いつもと違う旅したいなあ」と思ったら、山五十川歌舞伎体験を旅のアクセントに加えてみてはいかがでしょうか。
出典:山五十川(https://www.yamairagawa.com/)